13日の金曜日、サタデーナイトフィーバーと一緒に借りた映画「ブラックスワン」も観終わりました。
優雅なバレエダンサーのお話かと思いきや、サスペンションでした。主人公が狂気に苛まれていく様子は、13日の金曜日よりも怖かった。以下、感想...
主人公ニナは完全主義者なバレリーナ。「白鳥の湖」の主役に抜擢され、理想のバレエを追い求めますが、なかなかうまくいきません。周囲から求められる高い理想。この映画のなかで彼女の味方は誰もいなく、孤独です。
家に帰れば過干渉な母親(元バレリーナで自分ができなかったことを娘に代役させようとしている)、仕事先では高い表現力を求める監督、また、自分には出来ない躍りを見せつけ役を狙おうとするライバル。みんなのプレッシャーが、ニナに来ます。もともと繊細で神経質なニナは、周囲の人間にどんどん心を蝕まれ、周りのいう理想、自分のなりたい理想になかなか近づけず、もがき、追い詰められていきます
この映画ではニナ視点の世界を視聴者も体験できるのですが、時おり不可解な映像が起こります。壁にかざった絵がニナを嘲笑っていたり。鏡に映るニナが自分と違う動きをしていたり。。。。それはすべてニナの幻覚です。彼女が精神を病んでいくごとに、「思い込み」が幻覚として現れるのです。
最初は単なる幻覚だってわかるんです。でもだんだん追い詰められていけばいくほど、現実との境目がなくなり、酷くなってくる。観てるこちら側もどこからが真実で、どこからが幻なのかが本当に分からなくなる。
現実にこういうことは誰でも起こりうることですから、本当に怖いです。(13日の金曜日はフィクションとして楽しめるが、ブラックスワンはそんな風に観れない)
終わりかたも非常にモヤモヤしました。仕事やめますか、自分やめますか、の二者一卓しかないんだもの。(ニナは、【自分をやめます】。)
物語的に、ニナは幸せなんですかね…自分の限界を超え、最高の演技をし、周囲の期待以上の理想を実現し真の自分を手にいれました……でも正気な自分は失ってしまったわけだから、BAD ENDなんじゃね??芸術が、ニナの仕事が高い表現力を求める仕事なのは分かりますが、どつぼにはまってサァ大変よ。
主人公の味方が誰もいないのが本当に悲しい。無職の私が言うのは大変おこがましいですが、そこまで追い詰めなくてよかったんじゃないでしょうか。ニナの心休まる場所が、せめてどこかにあればよかったのにと思いました。報われない、悲しいお話でした(´;ω;`)
ブラックスワンのあと、似ている話で思い付いたのが、フランス映画の「ピアニスト」↓。
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