花と風と猫と・・・ほにゃらら

淡々と、あれこれ日記

南千住 宿泊所の店主との会話

先日の日記の北千住とは別の日、私は個人的趣味で南千住の安い宿泊所に泊まった。南千住、と聞くと思い浮かべられるのは、昔のドヤ街だが(実はコロナ禍でもその辺りの治安はちょっと気にしてはいた)、駅前は綺麗に整備されていて、JR、東京メトロつくばエクスプレスの3路線が交差し、駅周辺はコンビニ、ファミレスが並び夜中でも明るい。

(だからといって、夜道を女性1人で歩くのは危険だから充分気を付けましょう)。

私が行った日は雨の日の真夜中だった。明るい駅前から離れた狭い路地をGoogleマップで案内され、雨の夜道の迷子。メイン通りから外れると電灯も少なく、結構怖い。宿泊所の店主に電話して正しい道を教えてもらい、なんとか到着した。

夜遅い到着にも関わらず、宿主は快く迎え入れてくれた「ああ、Googleマップを使ったのね。それはね、ぐるぐるマップというんだよ…(笑)」
冗談きついぜ!

私は南千住には10数年前に一度来たことがあったのだが(その時も確か似たような個人的趣味で泊まっていた)、街がすこし綺麗に変わったのでは、と返した。

店主は目を丸くした。
「あなた、この辺りの生まれの人?
この辺りはね、区の再開発で随分と整備されたんだよ。本当だったら今年はオリンピックイヤーで、インバウンド需要で盛り上がってる予定だったんだけどね。コロナ禍だから今は観光業は壊滅的で、この辺りの宿泊所の価格帯もおかしくなってるよ。しかしこんな所に泊まるなんて、変わってるね。芸大生?作品か何かの為の活動?」

まさか大学生と勘違いされるとは。日々の筋トレの成果かもしれないが、私は10数年前までは学生で上野でバイトをしており、下町の雰囲気は昔から好きであり、今は谷根千暮らしに秘かに憧れている、社会人ドリーマーだと訂正した。店主は笑った。

「そ、そうなんだ。でも変わってるね。谷根千は今は逆にブランド化されちゃって、古民家含め家賃が高騰しているよ。

この辺りもね、昔と比べると随分変わった。昔は、いわゆる日雇い労働者の街だったんだけど、そういう人たちは区の活動で専門の施設に促されたか、あとは個々に西の方へ移動したみたい。今は殆ど見かけない。南千住はドヤ街から、海外バックパッカー向けの便利な宿街に変貌したんだよ。

あとは3路線走ってるから、ベッドタウンと化してる。南千住、なんてマイナーな街だけどさ、この辺りも家賃はここ10年くらいで上がったよ」

思えば、上野もさくらテラスが出来る前は鉄筋コンクリートで出来た建物があり…謎の古本屋さんが入っていたと記憶する。あの辺りも昔よりは綺麗になったが…。

街が綺麗になるのは素晴らしいことだが、どこも同質化、均一化されたようにも感じられる。都内のどの駅で降りても、商業施設に入っているテナントは地方に路面店を出す店だったりして、わざわざ都内へ買い物へ行く理由がなくなった。悪くいえば、街それぞれの個性が無くなっていったようにも感じられる(それがいいとか、悪いとか、そういう善悪の話ではないよ。)宿泊所の店主も同意見だった。

それでも、人の数が多く何かしらイベントに行きやすいのも、求人数が桁違いに多いのも都内である。選択肢の数が圧倒的に豊富だ。それにあらゆるカルチャーが楽しめるし、欲しいと思ったものも探せば大体手に入る。有名音楽家のコンサートだって…。地方に住む私から見たら、やはり都内はいいなと思った

【南千住で行った銭湯】
草津湯(天井が広く、レトロな銭湯だった。お湯は熱め♨️
〒116-0003 東京都荒川区南千住7丁目26−2
https://g.co/kgs/gKcaqv


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